天理教には「修養科」と呼ばれる3カ月間の特別なプログラムがあります。
天理市で共同生活を送りながら、天理教の教えを学び、実践し、心の成長を目指す体験ができます。
この記事では、修養科の特徴や生活内容、未信者でも参加できるかどうか、そしてその魅力についてご紹介します。
修養科とは?
修養科は、天理教の教えを深く学び、日常生活を通じて実践するためのプログラムです。
天理教の信仰の中心地である奈良県天理市で、3カ月間共同生活を送りながら学びます。
このプログラムは、天理教では「伏せ込み」と呼ばれ、教えを座学のほか、生活を通じて実体験することが目的です。
修養科は天理教信者だけでなく、未信者の方にも門戸が開かれており、信仰に基づく生活を通じて新たな気づきや成長を求める場となっています。
修養科での生活と活動内容
修養科での生活は、多岐にわたる活動を含み、天理教の教えを実践的に学ぶ場として設計されています。
1. おてふりの練習
天理教では、「みかぐらうた」という歌に合わせて「おてふり」(手振り)を行います。おてふりは、天理教の儀式である朝夕のおつとめや、月次祭などの際に行われる12下りの手踊りがあります。
おつとめとは、親神様・おやさま(教祖)・御霊様に向かって、感謝や願いを込めて拝を行う行為です。
このおつとめの中で、みかぐらうたに合わせて手振りを行ったり、鳴り物(楽器)を使った演奏を行います。
おつとめは修養科での生活リズムの中心であり、信仰を実践するための大切な時間です。
初心者にとっては、おてふりの動作やリズムを覚えるのに時間がかかる場合がありますが、経験豊富な指導者が丁寧に教えてくれるので、少しずつ慣れていくことができます。
練習を重ねることで、動きが自然と身につき、より深くおつとめの意味を感じられるようになります。
おつとめは種類があるので覚えきらなくても大丈夫です。
2. 教典や歴史の学び
修養科では、天理教の教典や歴史について学ぶ授業が行われます。
信仰の背景や価値観を深く理解するための時間であり、「ねりあい」と呼ばれる話し合いの場も設けられています。
このねりあいでは、自分の体験や考えを共有し、他者の意見から新たな気づきを得ることができます。
3. 掃除や奉仕活動
天理教では掃除が重要な実践の一つとされています。
修養科でも、神殿の清掃や草引きといった奉仕活動を行います。
掃除を通じて心を整え、環境をきれいにすることで自分自身の気持ちも穏やかになる体験ができます。
4. 詰め所での共同生活
修養科では、参加者が所属する教会ごとに割り当てられた「詰め所」で共同生活を送ります。
詰め所では、食事の準備や掃除、おつとめの練習を共に行い、仲間と助け合いながら日々を過ごします。
詰め所の雰囲気や活動内容は場所によって異なりますが、共同生活を通じて他者とのつながりを深める貴重な経験ができます。
5. おさづけの理をいただける
修養科の参加者は、9回にわたって神様の話を聞くことで、「おさづけの理」をいただくことができます。
この理は、身上(健康)の問題を抱える方に取り次ぎ、ご守護をいただける特別な理です。
親神様やおやさま(教祖)は、「土地所で病んでいる方を助けてほしい」という願いを託しておさづけを授けられます。
この教えを実践することで、他者を助ける活動に参加できるようになります。
未信者の方でも参加できるの?
修養科は、未信者の方も歓迎しています。
ただし、おつとめや特定の価値観を中心とした生活に対する抵抗感がある方もいるかもしれません。
その場合は、事前に教会や本部に相談して詳細を確認することをおすすめします。
事前に準備しておくべきこと
修養科に参加する際の持ち物については、各教会で確認が可能です。
参加者には持ち物リストが渡され、出発前までに必要なものを準備することができます。
教会ごとの指示に従って準備を進めるとスムーズです。
また、天理市は奈良県の盆地に位置しており、夏は非常に暑く、冬は底冷えするほど寒くなることがあります。
そのため、参加する季節に応じた服装をきちんと用意することが大切です。
特に寒暖差が激しい季節には、衣服を新調して備えることをおすすめします。
迷いや心得について
初めての方は、天理教の神殿や敷地が広大で、集合場所に迷うことがあるかもしれません。
また、修養科に参加する目的があった方がより良いと思われます。
「悩み事を解決したい」「社会に疲れて自分を見直したい」といった目的を持って参加すると、有意義な体験ができるでしょう。
一方で、「無理やり連れて来られた」「行きたくないけど仕方なく来た」という方は、修養科の生活に苦痛を感じ、途中で挫折してしまう可能性があります。
その中で変化を見つけられる事もありますが、結局分からずに終わってしまうこともあります。
修養科にかかる費用
修養科に参加する際の費用は、以下の通りです。
- 基本費用:3カ月で約15万円
- その他の費用:お小遣いや雑費などを含め、20万円あれば十分です。
また、おつとめ着(着物)は詰め所で借りることができる場合がありますが、購入を求められる場合は追加費用が発生する可能性があります。
必要な場合は事前に確認しておくとよいでしょう。
修養科の魅力
修養科の魅力は、天理教の教えを実践しながら、心の変化や成長を体験できる点にあります。
- 心の変化:
掃除や奉仕活動を通じて、気持ちが穏やかになる感覚を得ることがあります。 - 不思議な体験:
修養科で伏せ込んだ結果、悩みが解消したり、物事が良い方向に進むという話もよく聞かれます。 - ねりあいでの気づき:
他者との話し合いを通じて、自分の考え方や人生に新たな視点を得られます。
天理教の教祖であるおやさまの言葉、「喜ばさずには一人もかえされん」の通り、修養科で素直に実践することで、多くの参加者が心の成長を実感しています。
修養科を通じた心の成長
修養科は、単なる学びの場ではなく、日常生活を通じて心を成長させる場です。悩みを抱えて参加した方が、伏せ込み生活を送る中で新たな気づきや解決の糸口を見つけたという例も数多くあります。
まとめ
天理教の修養科は、天理教の教えを学び、実践し、心の成長を目指すプログラムです。
未信者の方でも参加しやすい環境が整っており、3カ月間の生活を通じて新たな自分を発見できる貴重な体験ができます。
興味がある方は、ぜひ最寄りの教会や天理教本部に問い合わせてみてください。
修養科での体験が、あなたにとって新しい道を開くきっかけになるかもしれません。